ヒプノセラピー(催眠療法)と瞑想の関係
〜マインドフルネス瞑想〜
「マインドフルネス」いう言葉を聞いたことはありますか?
それは、自分の思考、感情、行動などについて評価することなく、ありのままを観察することで、「今・ここ」で起こっていることや、ただ目の前のことに集中する状態をいいます。
過去や未来に意識を向けずに、今この瞬間の心身や自分の周りに集中することで自己認識力を高めることができます。
その方法として、マインドフルネス瞑想のワークをしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
マインドフルネス瞑想とは、自分の心と体の状態を瞑想のスキルを使ってマインドフルネス状態にする瞑想のことを言います。
この瞑想の習慣を持つことは、目まぐるしく変化する忙しい現代の社会でよく推奨されます。
ヒプノセラピーを受ける方にも瞑想はお勧めです。
ヒプノセラピーとマインドフルネス瞑想の関係をご紹介します。
1 頭に回るぐるぐる思考を止めて休ませる
人は1日のうちに、6万〜7万回の思考を繰り返しているといわれています。
ほとんどの人が起きている間に職場や家庭など様々なコミュニティーで活動しています。一日のうちに様々な考えを巡らせ、慌ただしく思考している状態で頭の中はいっぱいになっています。
顕在意識がフル回転して行動しているので、通常の生活では潜在意識について考えることはほぼ無いのではないかと感じます。
瞑想のワークでマインドフルネスの状態になると、常に考えを巡らせる脳の活動が低下して心がリラックスすることはもちろん、ストレスの耐性が高まる効果もあります。
忙しい毎日が続いているなら、是非瞑想によって思考を止めて頭を休める時間を作ってみましょう。意識して体の筋肉を緩めて普段からリラックスする習慣をつけることができれば、普段の生活の中でも潜在意識とつながることに役立ちます。
また、マインドフルネス瞑想では、呼吸に集中することで今の状態に没頭し、余計な雑念を取り除いていきます。
呼吸に意識を向けるこの瞑想は、ヒプノセラピーを受ける時にも役立ちます。
セラピーでの催眠導入時に、呼吸に意識を向けて、深く長く息を吐くことで体の機能をリラックスさせていくからです。
自分自身に繋がる瞑想の時間は、頭をクリアにして感情をリセットし、習慣にすることで心と体が催眠療法中に潜在意識と繋がりやすくなります。
2 瞑想している状態は催眠状態に似ている
催眠状態の脳の活動は瞑想中の状態と似ています。ですから、瞑想の習慣がある人は体がスムーズに催眠状態に入ります。瞑想している時に似た経験を普段からしているので、ご自身が催眠状態になる事が特別には感じられず、緊張や抵抗が起こりにくいのです。
また、日常的に瞑想を行っていると、普段からご自分でも気がつかないくらい自然に潜在意識から直感やイメージなどの情報を得られることがあります。
そのような体験をよくされていると、セラピーの中でも潜在意識からのイメージを取り出しやすくなります。
3 上手にリラックスできるようになる
ヒプノセラピー(催眠療法)では、体をリラックスさせることがとても重要です。体と潜在意識が繋がっており、体がリラックスすることで、催眠に入りやすくなるからです。
現代人はリラックスする事がうまくできないとも言われています。催眠導入時にスッと体をリラックスさせられると、その後のセラピーがスムーズです。
しかし、体をリラックスさせることに慣れていないと、催眠に入るのに時間がかかったり、うまく入れないこともあったりするのです。
また、催眠が浅くなり潜在意識からのイメージが出にくくなることもあります。
催眠に入る深さは個人差があり、同じ人でもその日の体調や感情によって変化がありますが、普段から瞑想の習慣で体をリラックスさせることに慣れていると、初めてヒプノセラピーを受ける方でもうまく催眠に入る可能性が高まります。
いつも体が緊張しがちな方は特に、マインドフルネス瞑想で力を抜いてリラックスすることを初めてみましょう。
瞑想習慣を持つことは、セラピーだけではなく心身共に健康な日常生活を送る上で有意義なことだと感じます。
4 心と体に浄化作用が起こる
マインドフルネス瞑想の時間は良くない感情や考えを解き放っていくので、心が落ち着いて体の緊張が解けていきます。
心と体が整い浄化作用が起きると直感が働きやすくなり、必要な情報が降りてきやすくなります。頭がすっきりしていて催眠状態に入りやすく、感じ方や受け取る情報がクリアになり分かりやすくなります。
セラピーで受け取る情報がクリアになるということは、自分の知りたかったことをしっかりとキャッチできるということなので、課題や問題の解決にとても重要なことです。
瞑想習慣は催眠療法を受けるときや日常生活全般において心と体に良い結果をもたらします。しかし忙しい現代人には続けることが難しいときもあるのかも知れません。
マインドフルネス瞑想の他にも自分に合った瞑想法が見つかれば、是非実践されることをお勧めします。
できない日には無理をせず、短い時間でいいので自分に合ったペースで続けていくことが大切です。
<注意点>
重度の鬱病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの症状をお持ちの方は、マインドフルネスによって症状が悪化する危険性があります。瞑想の実践中に過去のトラウマが思い出され、パニックになる場合もあります。
そのため、マインドフルネスのワークや瞑想を行う場合は必ず医師と相談しましょう。
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