ヒプノセラピー(催眠療法)適応障害
適応障害とは、、
適応障害とは、社会に適応できないということではなく、ストレスに適応できないことで起こる症状です。少し前には「コロナうつ」という言葉もできましたが、これも適応障害の一つです。
ストレスによって情緒が大きく変化し、新しい生活環境や人間関係の変化に対応しきれず、不安や抑うつ、集中力の低下などの症状が現れ、自分の生活に支障をきたす病気です。
その症状には、不安や怒り・焦りや緊張・マイナス思考などの情緒面の症状や、暴飲暴食・不登校・攻撃的・暴力的な傾向を伴う行動面の症状、倦怠感・不眠・めまい・頭痛・腹痛などの身体症状などがあります。
適応障害にならないためには、その原因となるストレスに、はやく気づいて対処することが重要です。
そのためには普段と違う自身の体の変化や心の変化、生活環境の変化などをいち早く見つけることが大切です。
適応障害を回避するには、、
私の妹にこのようなことがありました。
入院していた父が亡くなる頃、たびたび容態が悪化して、その度に妹と私が病院に駆け付けるということが重なりました。
私たちが到着すると、また父の体が落ち着いて安堵することになったのですが、妹はその度に不安になっていました。
なぜなら、妹は外国に住んでいるので戻るのに時間がかかり、もしかしたら父の最後に間に合わなくなるのではないかと感じていたからです。
その予感は当たってしまい、父が最後を迎えたときには妹はまだ帰国の飛行機の中でした。
私は、到着した妹に亡くなるときの父の様子を細かく知らせましたが、妹はまだまだ足りない様子でした。
お通夜とお葬式の間は親戚の集まりもあり、妹はみんなの前では気丈に振る舞っていましたが、自分が父の最後を看取れなかったことにショックを受けていたようです。
妹は私よりも父と仲が良く、父も私が見舞いに行く度に妹のことを知りたがるのが常でした。
妹は遠方にいるためにお見舞いも難しく、最後にも間に合わなかったことに後悔や罪悪感の念もあったようでした。
私たちが普段の生活に戻ってしばらくして、妹から、ヒプノセラピーを受けて亡くなった父と話すことができたと連絡がありました。
悲嘆療法のセラピーで、亡くなった父と再会したのです。
セラピーで妹は、
「お父さんともう一回会えて、きちんとお別れができた。二人で話してとても穏やかな時間を過ごせた。」
と、話していました。
このことが私が初めてヒプノセラピーを知り、学ぶことになったきっかけです。
妹のように死別体験などでの悲嘆が強い場合には、薬物やアルコール、ギャンブルなどへの依存や乱用、不安障害やパニック障害の発症、免疫力の低下やうつの症状が出るなど好ましくない状態に陥ることがあります。
さらに、今までと違って父がいない環境に順応していくには自分を追い込む感情からくるストレスは大きな問題となり、適応障害の発症に繋がることになりかねません。
妹のこのセラピーは、自分のショックの大きさと後悔や罪悪感の気持ちからくるストレスに早い段階で対処できた良い例だと感じます。
自宅に父の写真を飾って毎朝話しかけている妹は、亡くなった今でも父と良い関係を築けています。
まとめとして、、
適応障害の発症は特別なことではなく、誰にでも起こりえることです。
現代社会においてストレスと無縁でいることは難しいですが、いち早く自分のストレス反応に気づくことで原因の除去に取り組むことができ、対処することでストレスをコントロールし、適応障害などの症状を回避することができます。
自分の心や体にマイナスの変化を感じる時には、このくらい大丈夫だと軽く考えずに、少しの間自分のために心と体を休めて、向き合う時間を作ってあげることをお勧めします。
※悲嘆療法・・・死別や離別などで肉体的なコミュニケーションが取れなくなった存在と、催眠下でコミュニケーションを取ることによって心や魂を癒すセラピーです。
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