アートセラピー(臨床美術)の作品例

アートセラピー(臨床美術)「里芋」を描こう

 

この色とりどりの可愛い里芋は、画用紙やキャンバスではなく、サンドペーパーに鉛筆や色鉛筆を使って直に描いていきます。色をつける際にサンドペーパーの凸凹に芯が引っ掛かるので、思いもよらずたくさん色がついたり、掠れたりと平面に描くときとはまた違った面白さを味わえます。

実際に里芋を手に取って、表面のザラザラした感じや、握ったときの硬さや、微かな温かみなどを感じとりながら描いていきます。

小さな里芋ですが、よく観察してみると凸凹やすじ、繊維の重なりなど様々な発見があります。皆さま改めて面白い個性に気付かれるようです。

実際の形や色に似せてそっくりに描く必要はありません。
里芋の特徴から自分で気に入ったところ見つけて、それを生かして形をとります。色も実物にこだわる必要はなくて、自分で、
「こんな色を使うとどうなるかな、、?」
「この色とこの色は合うな。」
など、感じるままに使ってみたいと思う色を選んで、自由に制作していきます。
ヘタやおしりのところをしっかり描き込んでみるとグッと立体感がまして面白いですよ。

出来上がりはきっと最初は思いもつかなかったような楽しい作品になります。
小さい画面なので気負わずにリラックスして楽しむことができます。
(11.5×14cm)

 

 

アートセラピー(臨床美術)「土偶」を作ろう

 

中には、直径5〜6cmくらいの石を入れています。
土偶は縄文時代に子孫繁栄や豊作、無病息災などの祈りを込めて作られたのが始まりだそうです。
そんな話をしながら、参加者の皆さんとそれぞれお持ちの石をギュッと握って願い事をしました。願い事は秘密ですが、その瞬間が楽しくて毎回皆さま笑顔になられます。(ちなみにこの土偶の願いは世界平和です。)

乾くと土器のような風合いになる粘土を使っていて、焼成しなくても大丈夫です。
土のような匂いやひんやりとした手触りがとても気持ちがいいものです。柔らかくて扱いやすいので、一般的にどなたでも比較的簡単に制作することができます。
子どもの頃の泥団子作りを懐かしく思い出される方もいらっしゃいました。

頭や腕の形をそれぞれに作っていくのではなくて、粘土全体に両手で圧を加えて、触感を楽しみながら、その中で偶然できてくる形をそのままに土偶に見立てていきます。全体のポーズが決まったら目鼻や飾りを付けて、割り箸ペンなどを使って模様を刻んで出来上がりです。
これはお餅をたくさん運んでいる土偶で、重さにのけぞっているところです。
童心にかえって楽しめる作品です。

 

 

アートセラピー(臨床美術)「きらきらきらめくレ・モ・ン」

 

レモンを手に取って、少し皮に爪で傷を入れると、フレッシュな香りに包まれてとても気持ちがいいです。
艶やかな表面の手触りや、皮の弾力、小さな凹凸を指先に感じ取ります。
よく見ると黄色い皮の中にも、少し黄緑色や水色、オレンジ色が見えたり、影の部分は紫がかっていたりするものもあります。
レモン一つ一つの個性を発見しながら、ゆったりとリラックスしてオイルパステルで着色していきます。発見した色をどんどん重ねていくと、自然に色の深みが増していきます。

メタリックホワイトという、少し光を反射するアクリル絵の具を下地に使っているので、上から重ねるオイルパステルの間からキラキラとそれが光って、レモンの光沢の表現につながります。

ヘタの部分を描くのは難しく感じるかもしれませんが、描き込むとより一層実物感がでます。
自然のものにはもともと決まった形などなく、それぞれが唯一のものです。どのように描くかは皆さんの感覚次第です。
こんなレモンがあったらいいな、この作品は家に飾りたい!と思える素敵なレモンに仕上げましょう。

肩の力を抜いて、実際にレモンの皮に感じる色の他にも使いたい色を見つけてどんどん重ねて塗ってみましょう。
もしも違っちゃったと感じても大丈夫です。今回オイルパステルは削りとることができるので、何度でも塗り直せます。
きっと楽しいですよ。


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