ヒプノセラピー(催眠療法) 年齢退行療法セッション
K様は、「亡くなった父親への感情を何とかしたい。」とお見えになりました。生前のお父様は定職についておられなくて、そのことで夫婦喧嘩が絶えず、「とにかく身勝手な父のせいで母は苦労していて、私は幼い頃から父が嫌いでした。」とお話しでした。
今でも何かの話題でお父様の事を聞かれたり、家族の話になると嫌な感情がわいてきて囚われているように感じ、解放されたいと感じていらっしゃったのです。
そこで、年齢退行療法を受けることにしました。
年齢退行療法(キーとなっている人物や出来事と向き合い、感情の確認、放出、距離感を確認する)
過去を遡っていくと、K様が中学生か高校生くらいの頃の家族が集う家の様子が浮かびました。
夕食の場面でK様はお母様と口論をしたらしく、ご機嫌を損ねて食事を食べようとしません。
そんなK様にお父様は、「お姉、はやくご飯食べえ。」(K様は二人姉妹のお姉様です。)と何度も優しく促していたのです。
また、家族でプールに遊びに行った場面では、お父様が小学生のK様と妹様を肩につかまらせて背中に二人を乗せて平泳ぎする思い出が浮かび上がりました。K様と妹様がとても楽しんでいるので、お父様はプールを何周も繰り返し泳がれていました。
そして、あれほど嫌だった夫婦喧嘩の状況では、原因を遡るとお母様が元でお父様を怒らせていたこともあったと分かりました。
潜在意識には、全ての記憶があります
潜在意識には生まれてからの全ての記憶が保管されているといいます。このため、催眠下でその方の子ども時代や学生時代などの過去に退行することができ、その時にどのようなことがあったのかをもう一度経験することができます。
今回のように亡くなった方と再会して話すこともできますし、子どもの頃に戻ってトラウマになっているような出来事に対処し直すこともできます。
(その他に、潜在意識には、生まれる以前の記憶や過去世(前世)の記憶もあるとされています。また、そこには集合的無意識と呼ばれる領域があり、人、精霊、動物、植物、鉱物など全てが繋がっていると言われています。これらのことはまだ科学で解明されてはいませんが、ヒプノセラピーでは、そのことの有無よりも潜在意識からのイメージの力の効果が心理療法として有効であると注目しています。)
年齢退行療法で出てきたK様のお父様のイメージはセッション前とは全く違っていて、K様が忘れていた優しく温かだったお父様の思い出でした。
浮かんできたお父様の笑顔をK様の心に写真のようにロックして終了しました。
セッション終了後
K様は、「父のことが小さい頃から嫌いでその事がずっとネックになっていましたが、親をそんな風に思う自分のことにも引っかかっていました。父とのいい思い出なんてないと思っていましたが、思い出せて良かった。」と涙されておられました。
後日のメールで、「以前は父のことを思い出すときはいつも必ず怒鳴り声や不機嫌な様子が思い浮かび、毎回嫌な気持ちでしたが、不思議とそれが無くなりました。今はまず穏やかな表情の父が最初に目に浮かびます。
父と私は犬猿の仲でしたが、それでも父は私の事を諦めず、なんとか短大まで卒業させてくれました。父は一般的なサラリーマンではなかったので、そこに私は納得がいかずぶつかってばかりでしたが、今では父のやり方も理解できます。
「パパ大好きって言え。」と、ことあるごとに強要されてそれにも本気でムカついていたのですが、やっと心から言うことができました。父は亡くなっていますがきっと通じています。」と、ご連絡をくださいました。
催眠療法を受けると、大切なことを思い出したり、気がついたりすることが多々あります。そのことに驚いたり感動を覚えたりするのですが、K様は催眠が解けた後もご自身の変化に気づかれています。その変化に対して様々な思いや考えを巡らせてこられたようです。
催眠療法は、それ自体が神聖なもので、いつも心に残ります。
過去の記憶の中にずっと気になっていることや、知りたいと思ってることはありませんか?
心の中に引っかかっているモヤモヤとした感情はありませんか?
催眠療法で気になっている過去の経験を再体験することで、心の中の憂鬱や心配、不安や恐れなどが軽減して問題が解決に向かいます。
(クライアント様にご了解いただき、掲載できる範囲でご紹介させていただいております。)
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