ヒプノセラピー(催眠療法)悲嘆療法セッション 〜ペットロス〜
悲嘆療法とは、大切な存在とお別れをした後の気持ちが落ち込んだ状態が長く続き、日常生活に支障が出てしまうときのセラピーです。それには大切なペットも含まれ、近頃ではペットロスという言葉も日常で聞かれるようになりました。
悲しみが長引いてしまう原因には様々なものがありますが、その一つが、お別れしたペットへの「やり残した」と感じる思いです。
「もっと一緒の時間を作ってあげればよかった。」、「治療のためとはいえ、もっと好きなものを食べさせてあげればよかった、、。」、「あの子はあれで幸せだったのかな、、。」
心にずっと思いが刺さっていると、悲しみからの回復により時間がかかるとされています。
また、最後を看取ってあげられなかったことや、安楽死を選択されたことなどから感じるお気持ちもケアされることがとても大切です。
S様は20年以上一緒にいた猫ちゃんとお別れして2年半ほど経ってお見えになりました。
離婚された直後に出会い、お一人で子育てと仕事を両立させる中でずっと一緒だった猫ちゃんです。
穏やかな性格でわがままな行動をせず、亡くなる直前までS様の「もっとたくさん食べてほしい。」というお気持ちに応えてくれたそうです。
何年経っても悲しみが癒えることはなく、ペットロスの状態から立ち直れない。いつか生まれ変わって帰ってきてくれると信じている。
今はどうしているのか知りたいとお話しでした。
守られた安全な空間で再会する
(悲嘆療法 ペットロス)
(S様の猫ちゃんを仮にタマちゃんとします。)
S様のイメージの温かく明るい部屋に向かい合わせの椅子が2客置いてあります。片方の椅子にS様が座ります。カウントすると向かいの椅子に亡くなったタマちゃんが現れます。
タマちゃんは向こうの世界のたくさんの仲間の猫たちと一緒に現れました。S様はタマちゃんを抱き上げて、もう絶対に離さないとずっと抱きしめて涙しておられました。
仲間の猫たちは、みんな揃ってそんな様子をしばらく眺めていたようですが、S様に「タマちゃんを返してほしい。」と言っているように伝わったそうです。
それでもS様がタマちゃんを離さないでいると、「今はまだ。まだできてないから。3年後の誕生日に帰る。」とタマちゃんが言っているように感じ取れたそうです。
S様はまだ抱っこしていたかったけれど、そっと離してあげるとタマちゃんは仲間の猫たちと一緒に向こうを向いてスッと歩いて消えていったそうです。
セッション終了後
「タマちゃんが仲間と一緒に出てくると思っていなかったのでびっくりしましたが、向こうの世界ではたくさんの友だちがいることが分かって本当に良かったと思います。嬉しくなりました。
ずっと帰ってきてほしいと思っていましたが、それは希望であって、まさか3年後という具体的な数字を教えてくれたことに驚きました。
たくさんの友だちの猫ちゃんと一緒だったので、離した瞬間に一緒に遊ぶ様子が見れるかな、、と期待したのですが、あっさり帰ってしまいました。(笑)
『3年後』というのは、亡くなってから数えて3年後でしょうか?それとも本日から3年後でしょうか?
とにかく誕生日を楽しみに待っています。」
と、S様は涙をふきながら、とても明るく話してくださいました。
ペットロスの悲嘆療法に限らず、ヒプノセラピー(催眠療法)の不思議な力に私自身も驚いて、とても嬉しくなったセッションでした。
心に留まっている未完了の思いが完了すると、気持ちが明るくなり、心が少しずつ楽になって、毎日を過ごしやすくなります。
ペットロスのためのヒプノセラピーは、大切な存在と再会できることで深い癒しが起こります。
知りたいことの答えが見つかったり、出来なかった、してあげられなかったと感じている後悔の思いを完了させたりすることでご自身の深い悲しみから解放されていきます。
ペットロスなど、愛する存在を失った痛みは非常に強いものです。時には、亡くなってしまったペットに対して、自分は生きて生活を楽しむことに罪悪感を覚える方もいらっしゃいます。
大切なペットへの愛情が深ければ深いほど、ペットロスの悲嘆が強まり、様々な感情が渦巻いてご自分を責めてしまうこともあります。
しかし、別れに対して感情や考えが適応していき、日常生活を取り戻していくことは正常な反応です。
悲しみを感じている時の心や体の負担はご自身で思うよりもとても大きなものです。
亡くなった大切なペットちゃんを思うように、愛する存在との別れに悲しみ傷ついているご自分のこともどうか大切にしてあげてください。
※悲嘆(グリーフ)とは
人がその死別への反応で、感情的・心理的(認知的・社会的)・肉体的な反応で苦悩に陥っている状態。
(クライアント様のご了解を得た上で、掲載できる範囲でご紹介させていただいております。)
コメントを残す